介護職は対人援助のスペシャリストであり、高齢者の日常生活をサポートするのが、仕事の中心です。介護の現場では日常生活で必要なあらゆる事柄を介助します。
そんな介護職の仕事は心身への負担が重くなる傾向が高く、ハードな仕事の1つとして知られています。このため、介護職ならではのメンタル面の問題を抱えるケースが珍しくありません。
例えば燃え尽き症候群もその1つ。これは仕事への理想と現実とのギャップに悩み、最終的には燃え尽きたように、仕事への意欲を失う症状を指します。特に介護職の仕事を始めたばかりの新人クラスで、発症しやすいことがわかっています。
また介護の現場ではチームで組んで業務を遂行するシーンが多いため、人間関係に悩んで様々なストレス症状を起こすケースも目立ちます。
いずれにしても介護職は、メンタル面での健康問題を抱えやすい職種といえるでしょう。実際にメンタルを病んで休職や退職を繰り返す介護職がいるのも、また事実です。
そのようなリスクを軽減するために、介護現場によっては様々な取り組みを行っているところがあります。例えば介護職一人ひとりの考えや行動を評価し、メンタル面のサポートを行うため、精神的な支柱になるスーパーバイザーを配置するケース。あるいは定期的な研修を通じて、ストレス対処法を介護職同士で共有するケースもあります。
ちなみにストレス対処法には信頼できる人に相談したり、専門書で解決法を探すといった積極的対処法がある一方で、食事やお酒で気を紛らすような、消極的対処法も有効です。この2つの対処法をケースバイケースで取り込みながら、上手にメンタル面を管理することが介護職を続ける上で重要になります。